こんにちは。大阪府箕面市の「リユニス訪問看護ステーション」代表の濱崎です。
【もしもの時の選択】シリーズ第4弾となる本日は、多くの方が「いつかは考えなければならない」と思いながらも、不安や恐怖から目を背けてしまいがちなテーマ、「看取り(みとり)」についてお話しします。
「住み慣れた我が家で最期を迎えさせてあげたい」
「最後は病院で看取ってほしい」
「家で看取ってあげたいけど大変そう・・・。」

🏡 「病院」と「在宅」、できるケアは基本的に一緒です
よく『病院の方が手厚い終末期ケアができるのでは』と誤解されますが、実は病院でも、住み慣れた我が家でも、ご本人の苦痛を取り除くために医療・看護ができることは基本的に何も変わりません。
痛みを抑えるお薬のコントロール、呼吸を楽にするケア、お身体を清潔に保つエンゼルケア。これらは場所がどこであれ、プロの訪問看護師と往診医の手によって、ご自宅でも病院と全く同じ高いクオリティで提供可能です。
感染管理や病院の取り決めにより、会わせたい人にあえず、最後の瞬間を一緒に過ごすことが難しい場合もあります。
変わるのは、周囲の環境だけです。医療機器のブザー音ではなく、ご家族の足音や、聞き慣れたリビングの音、慣れ親しんだ日常の空間のままで、病院と同等の「痛みのない、穏やかな最期」を創り出すことは十分に可能なのです。
⏳ 最大のリアル:「最後の瞬間」は誰にも読めない
しかし、もう一つ、絶対に目を背けてはならない看取りのリアルがあります。 それは、「いつ最後の瞬間がくるのかは、誰にもわからない」ということです。
私たち医療のプロであっても、おおよその見立て(予想)を立てることはできますが、命の灯火が消えるタイミングは時に予想を大きく外れます。明日かもしれないし、数ヶ月後かもしれない。「その時」は突然やってきます。
だからこそ、在宅看取りで最も大切なのは、心が揺さぶられるような綺麗事ではなく、「いつその瞬間が来ても慌てないための、24時間ブレない環境づくり」なのです。
🛠️ 突然の「その時」に備える、3つの環境づくり
在宅看取りで実践する環境セッティングは、ご家族の不安を徹底的に先手で取り除くためのものです。
- 24時間迷わない「動線」を決める
何時であっても、容体が変化した時に「まずリユニス(訪問看護)に電話すればいい」という1本の動線を確定させます。ご家族だけでオロオロする時間をゼロにします。 - 病院と同等の「療養ベッド周り」を先手で整える
お身体に床ずれを作らないための特殊マットレスや、呼吸を楽にするポジショニングなど、福祉用具や環境のセッティングをケアマネジャー様と連携して事前に少しづつ準備をすすめていきます。 - ご親族間で「救急車を呼ばないルール」を徹底する
誰にも読めない最後の瞬間だからこそ、「慌てて119番を呼ばない」という覚悟を共有します。救急車を呼ぶと予期せぬ延命治療が始まってしまい、ご本人が望んだ「我が家での物語」が途切れてしまうからです。
在宅での看取りを行える往診医に最後の診察をしていただきます。
上記を1つ1つ進めていくことで、大切な人の最後を【看取る】という自覚や覚悟が芽生え、心の準備ができます。
⚡ ジレンマ:24時間「見守る」ご家族の限界と、変わらない緊張感
環境をどれだけ整えても、やはり付きまとうのが「ご家族の心身の疲弊」というリアルなジレンマです。
「夜中、息をしているか気になって一睡もできない」
「自分の仕事や生活があり、ベッドの横にずっといてあげられない」
どれだけ深い愛情があっても、24時間365日の緊張感は、人間の心と体を確実に蝕みます。
しかし、ここで一つ知っていただきたい事実があります。それは、「病院に入院させていれば、ご家族の緊張感が完全になくなるわけではない」ということです。病院にいても「いつ急変の電話がかかってくるか分からない」「いつ呼ばれるか分からない」という張り詰めた状況は、実は在宅と大きく変わりません。
だからこそ大切なのは、「どこで最期を迎えるか」ではなく、「その緊張感を、ご家族だけで抱え込まずに分散できるパートナーが近くにいるかどうか」なのです。ご家族が疲れ果てて倒れてしまっては、穏やかな看取りは絶対に成立しません。
在宅での看取りは、決して「孤独な闘い」でも「怖い儀式」でもありません。医療とケアの手を正しく借りて、ご家族自身の生活も守りながら進めれば、それは人生で最も温かい、家族の絆を深める「大切な物語」に変わります。
私たちリユニス訪問看護ステーションは、箕面の地域包括支援センターやケアマネジャー様とも緊密に連携を取りながら、24時間体制で皆様の支えとなります。お一人で抱え込まず、どのような不安でも、まずはリユニスにご相談ください。

